AS2OV ウォレットショルダー & 2WAYバッグM ブラック、構造の黒。
財布がそのままショルダーバッグになる。バッグが二通りの持ち方になる。AS2OVの黒は、構造から考えられている。
日本とアメリカ、それぞれ黒いバッグを作るブランドが組んだ。CADETは両者の黒への態度が一致した結果だと思う。
コラボレーションが成立するのは、価値観が重なるときだと思っている。
MakaveligとChrome Industriesが一緒にCADETを作ったのは、両者の黒への向き合い方が近いからではないかと感じた。どちらも、黒を装飾としてではなく、素材と機能の結果として使うブランドだ。
Makaveligは日本のバッグブランドで、機能性とストリートの間に立つプロダクトを作っている。
素材の選択と縫製の精度において、実用のラインを超えた品質を持つ。コーデュラナイロンやバリスティックナイロンを使い、長く使えるバッグを作ることを軸にしている。黒を中心に展開することが多く、カラーラインナップよりもブラックの密度を高める方向に向いている。
Chrome Industriesはアメリカ、コロラド州デンバー発のブランドで、メッセンジャーバッグを起点に展開してきた。
シートベルトバックルを使ったクロージャーが代名詞で、自転車便のライダーたちが過酷な環境で使うことを前提に設計されている。防水性と耐久性が高く、使い込むほどに馴染んでいく素材感がある。バリスティックナイロンの黒は、使用とともに深みが増す。
CADETはメッセンジャーバッグのシルエットを持ちながら、都市での使用にも対応した設計だ。
ChromeのシートベルトバックルとMakaveligの縫製が組み合わさって、どちらか一方だけでは出てこないバッグになっている。クロージャーを開けるたびにバックルの金属音がする。機能的な理由で存在している音が、使う行為に質感を加える。
ブラックは両ブランドにとって自然な選択で、コラボだからといって別の色を選ぶ理由がない。素材の黒、縫製の黒、バックルの黒。それぞれの黒が合わさって、ひとつのバッグの黒になる。
バリスティックナイロンは使うほどに質感が変わる。
新品のときは均一な黒だが、毎日使うと角が丸くなり、表面が馴染んでくる。その変化が黒の深みとして出てくる。コラボレーションバッグは保存しがちだが、これは使うためのバッグだ。
二つのブランドが作った黒を、使い込んでいく。それが、このバッグへの正しい向き合い方だと思っている。